1歳から1歳半
10ヶ月で歩きだしたシイナは1歳になるとしっかりした足取りで小走りもできるようになり、公園で走り回りました。
自分の足で歩きながら見る世界に心底楽しんでいるようでした。
シイナは臆することなく、突き進む子でした。
振り返らずに。
滑り台も上手に登って滑っていました。
ブランコは抱っこして揺れると怖がりました。(4歳の今でも上手こげない)
言葉は少しずつ増えて、「(自分の写真を見て)シイちゃんいた」「お花あった!」と二言文が出たこともありました。
単語と喃語。
そして、喃語?まるで宇宙語のような言葉をよく発するようになりました。
リロリロリロリロリロリロリロ みたいな。
これは、後にジャーゴンというものと気が付くのですが、当時は変わった喃語だなと思っていました。
何といっても落ち着きの無さ、多動っぷりがシイナの特徴でした。
常に動いている。
新しい玩具、玩具でなくても何でも目新しいものに衝動的に手が出て、奪う。
児童館などに行っても、腰を据えて遊ぶことはせず、走り回りつまみ食いのように玩具に手を出して、数秒で次の玩具。
スシコはそんなシイナを追っかけ回し、出した玩具を元に戻し、玩具を奪ってしまえば謝り(奪っても数秒でポイする)ヘトヘトになっていました。
児童館で先生がお遊戯や手遊びをやってくれると、シイナは喜んで一生懸命真似していました。
飽きると走り回る。
児童館は気疲れの連続で次第に足が遠退くようになりました。
公園でもコロコロ遊具を替えていましたが、児童館より気を遣わず気楽でした。
神社や土手を歩かせたり。
そして、1歳半検診。
積み木を積む、は出来ました。
⚪⚪はどれ?は可逆の指さしが出来ないのでやらず。
この時の私は、「可逆の指さしができるかどうか」をチェックしているとは思っておらず、「物の名前がわかっているか」をチェックしていると思ったのです。
私は保健師さんに「本当は出来るんです(名詞わかっています)」と言ってしまいました。
1歳半検診は引っ掛からず、になりました。
1歳半のシイナ。
単語はなかなか増えなくなりました。
ジャーゴンを言いながら走り回り、自分の世界に入ってしまったよう。
「貸して」と言うべきところを「どうぞ」と言う。
とにかく走りまくるシイナを見てADHD?
こんなに落ち着きがなくて、動きまくってる子見たことない。
目に入ったもの全てを触ろうとする、触ったそばから次のものへ、、
手を繋いで歩けないし。
ダッコひもは好きで、出先では追いかけるのがしんどくなると、ダッコひも!エルゴ様々でした。
この頃は、ADHDかもしれないという思いもありました。
生後3ヶ月から1歳まで
シイナは順調に大きくなっていきました。
呼ぶとこちらを見る、よく笑う。
寝返り、ひとり座り、ずりばい、ハイハイ、つかまり立ち、、標準よりやや早目にこなしていきました。
10ヶ月になると、指さし、独歩、初語。
1歳になる前に、歩きながら指をさし「あ!ワンワン!!」と嬉しそうに笑う。
ご近所さんに「バイバーイ!」と手をふってみたり。(逆さバイバイではない)
模倣も上手。
まだまだ発達障害の知識も浅かったわたしは「シイナ大丈夫じゃん!」と思いました、いや思いたかった。
母親の勘は当たるとよく言いますが、どうしても絶対に大丈夫と思えなかった。
1歳間近になってもシイナは、オムツが汚れても泣かないし、授乳中には目が合わない。
そして、気になるところは他にも出てきました。
転んでもあまり泣かない。
くすぐっても、くすぐったくないみたい。
触覚が鈍感だとは当時は思いもせず。
バンバンしていた指さし。
指さしにも種類があって、シイナがよくしていたのは★自発の指さし。
何か自分が見つけた時にやるやつです。
★志向の指差しは、誰かが指をさした方向を見ること。
これは、記憶にない(笑)
けど、殆どできていなかったと思う。
4歳の現在も遠い所を指さすと何をさしているか見つけられない時があるので。。。
★要求の指さしもやっていなかったような。。
★叙述の指さしとは、いわゆる共感の指さしのこと。
指をさしながら、親の方を見る。
「見て見て~♪」って感じの指さし。
これはほっっっっっとんどやってない。
★可逆(応答)の指さしとは、「ねこさんどーれ?」の質問に、指をさして答えること。
これもできていなかった、、、
当時は指さしの種類なんて知らず。
共感の無さは、シイナと遊んでいてヒシヒシと感じていました。
玩具で一緒に遊ぶってより、シイナは自分で!自分だけで!!って感じで夢中で玩具をいじくり回していました。
後追いは、なんとなーく追ってくるような?
よう言う、家事も出来ないとか、トイレまで追ってくるみたいな激しいのではなく、軽く追ってきてました(笑)
1歳まで育ててみて、発達障害の可能性はどうなんだろうと考えた時、一見順調に育ってる反面、見過ごしてはいけない不安もありました。
なんていうかこう、決定打に欠ける感じ。
「どっちなんだろう」
生後7ヶ月の時に、シイナパパの実家へ行った時のこと。
義母(シイナのおばあちゃん)のある言葉がよぎりました。
「シイナちゃん、ちゃんと目が合う?笑う??」
シイナパパの実家は我が家と距離があり、年に数回しか行けません。
私はシイナが生まれてから、ちょくちょく写真を送っていました。
カメラ目線でニコニコ笑顔の写真ばかり。
この写真達を見ていたら、何か心当たりがないかぎり、自閉症を疑うような発言はしないはず。
義母は、自分の子育てでの中で気付いていることがあって、シイナに遺伝の可能性があることを気にしている。
義母が子育てしていた頃は発達障害なんて概念は一般には浸透していなかったし、義母の子供たち(シイナパパ含め3人)はお勉強ができるので、障害の括りに入ることは無かった。
そして、シイナ1歳になりました。
生まれてから生後2ヶ月
最初はミルク。
帝王切開だったので、母乳のスタートが遅れ私の乳はガチガチに固くなり、痛くて寝返りも出来ませんでした。
シイナに母乳をあげたい一心で、夜中病室で乳を揉みほぐしました。
1週間程で退院、ミルクと母乳半々くらい、、飲むようになりました。
生後1ヶ月の頃には、完全母乳に。
夜は2、3時間おきに起きて授乳。
かわいくてかわいくて、シイナを育てる喜びを感じる毎日でした。
そして、生後2ヶ月までの発達
追視をするようになりました。
スシコが動くと一生懸命目を動かして追う。
追うことによって、首がしっかりしてくる。
首も2ヶ月で殆ど座りました。
さらに、抱っこしてほしくて泣く。
抱っこする泣き止む。
さらにさらに、社会的微笑が始まりました。
あやすと笑う。
この時は、シイナは大丈夫なのかも!と胸を撫で下ろしていた部分もあります。
その反面、気になることもありました。
オムツが汚れても反応なし。
母乳を飲む時に目が合わない。
視線がスシコの顔の横をすり抜けて遠くを見ているようでした。
それ以外は、ジーーっと、見てくれるのに。
生後2ヶ月では、まだまだハッキリとした判断はつきませんでした。
シイナ誕生
陣痛から1日近くたっても、全くおりてこない。
子宮口はずっと一センチ、いや一センチ弱。
体力も気力も限界(根性なしです、、)
子宮口が徐々に開けば、やったるでー!って気合い入りますが、びくともしないなんて!(言い訳です、すいません)
私が体重が増えすぎたのと、シイナが大きくて頭も大きかったのです(笑)
緊急帝王切開になりました。
無事に生まれて、威勢よく泣いているシイナ。
同じ日に生まれた赤ちゃんと比べると、一回り大きい。
4000gまではいかないけど、大きな赤ちゃんでした。
顔はどう見ても私似でした。
血液型は?
出産前に、自分の中で賭けをしました。
スシコはA型、シイナパパはO型。
赤ちゃんがA型だったら、自閉症スペクトラムは遺伝しない。
そんな根拠どこにもありません、あくまで自分の中だけで、こっそり賭けていたのです。
シイナはO型でした。
私は賭けに負けたのです。
妊娠中に気付いたこと
シイナを妊娠してから私の中で、気がかりなことがありました。
シイナパパの家族のこと。
個性的?
友達や知人であれば、変わった人だな~で終わるのですが、お腹の中の子供と血が繋がってるので、ずっと引っ掛かっていました。
シイナパパの父、兄、妹。
シイナにとっては、祖父、伯父、伯母。
3人とも性格は全く異なっていますが、個性的というか、、、
特に義理の兄は、多弁でずーーーっと一人でしゃべっていて、こちらが聞いていようが聞いてまいが関係なし。
空気が読めない、を絵にかいたような人。
変わった人とは聞いていたけど想像以上。
義父は、のんびりマイペース、マイペースすぎる人。
とっても優しくて博学で、まぁ、空気は読めないけど、愛されキャラ。
長嶋さんみたいな人だな~と思ってました(笑)
義理の妹は、、、初めて会った時は鬱と摂食障害に苦しんでいました。
しゃべってみると、小学生の女の子と会話しているような?そんな感じ。
硝子細工のように繊細で壊れそうな彼女。
少しずつ彼女の過去を知るたびに、胸が苦しくなりました。
彼女は清らかで優しい子だったから。
そんな3人をみて、、
お腹の中の赤ちゃん、もしかしたら?
遺伝、するかも?
何が遺伝するの?
この頃私は、発達障害やアスペルガーと言葉は知っていましたが、意味は解っていませんでした。
どうやって検索したのかは忘れましたが、アスペルガーの症状が義兄そのものだ!と、たどりついたのです。
アスペルガーって自閉症なんだ、、、、タイプが色々あるんだ、積極奇異型これは義兄!
受動型、これは義妹。
ADHD?あー、名前は知ってるけど、、、
ん?え?なんかシイナパパに近い??
検索魔になりそうになった所で、「今考えすぎちゃダメだ」と自分に言い聞かせ、妊婦ライフを楽しもう!と、検索禁止にしました。
発達障害の、ザックリとした知識だけを頭に入れておいて、あとは生まれてから気をつけて見てみよう!
そして、シイナは誕生したのです。